るーぷ・りにあー・すぱいらる

昔、サークルの先輩がアレイスタークロウリーのタロットカードを見せてくれたことがある。その先輩は当時タロット占い師としてはぺーぺーの私にいろいろ解説してくれた。

そのときFOOLのカードを見せてもらったのだけれど、このタロットカードのほかのカードと同じくとても判りにくいものだった。
男がこちらを向いて目を見開いていて、背景には12正座やら5大属性やら、他のカードより明らかに多い魔術的ないろいろ。
その先輩はそれら魔術的いろいろをひとつひとつ解説していって、そのカードの「すごさ」を解説し、強調し、そして「未だにこのカードは読みきれない」と締めくくった。

私はそのいろいろの解説を聞いて、ひどく簡単に答えに至った。そして思ったのだ。「そっか。この人にはわからないんだ。このカードが他のタロットのFOOLと同じ、本当にただのFOOLのカードであるということが」

はたしてどちらがFOOLなのかはともかくとして、タロットカードがどういうものか理解した瞬間でもあった。

落ちは無い。