『末代まで!』猫砂一平

35点(5/10)

え? これで6年ぶりの大賞? そいつぁはちょっと無茶くさくね? 6年も出して無いからそろそろ出せみたいな圧力でもかかったのか?
こざっぱりとまとめる能力は確かに高いが、これで大賞というのはあまりに野心がなさすぎる。「最近のラノベは小さくまとめすぎている」の代表例みたいな作品になっていて、いろいろどうか。
あと、続編を前提としているかのような構成は受賞時から変えたんだろうか。富士見のアレとか思い出してしまったよ。

『蒼穹のカルマ3』橘公司

80点(6強/10)

序盤のアレとか含めて相変わらずわかってらっしゃる。
パンチ力は相変わらず難ありだが、バラバラになっていたポイントの連結については進められている模様。
どういう方向にまとめるつもりなのかはだいたい想像できたけど、もう少し発散方向に大風呂敷を広げてもいいんじゃないかと思う。
 
ところでこのラノ2010の唯一の新作10位ランクインということでとてもめでたい。この作品に票が入るというのはいろんな意味で心強い。
一方で、協力者アンケートのランクには入ってなかったり、目利きの選ぶ作家・作品には全く入ってないというのは「お前らやる気あんのか」と問い詰めたい感じ。この作品をスルーしてた自称ラノベ読みは猛省すべしと言ってみる。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破』

見た。多分160点くらい。
テレビ版のダメなところがことごとく改良されていて密度も非常に高くてとても長く楽しめた感じ。すばらしい。期待以上。
ただ、昔のとの比較ですばらしいと思ってしまう成分が自分の中にどの程度あるのかが未解析。そういうところまで織り込み済みで作られているのだとは思うけど、絶対評価を定めるのが難しいなあと思う。

序のラミエルもかわいかったが、今回は空から降ってくるアイツがちょっとかわいい。

細かいところで難もいくつかあるけど、細かいところなのでどうでもよい。

経済危機克服のための「有識者会合」

暇だった、というわけではないのだけど、作業の傍ら全部聞いてみた。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2459.htmlエコノミスト・学識経験者)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2473.html(経済界(農林水産業運輸業・不動産業等))
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2465.html(研究開発・教育・成長インフラ)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2466.html(雇用・人材開発)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2467.html地方自治体・地域経済)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2468.html社会保障
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2469.html(金融)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2470.html(低炭素・環境)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2471.html(経済界(製造業・サービス業))
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2472.html(消費者・子育て・女性労働

知らない業界の話がいっぱい出てくるというのはやはり面白かった。
あそこらへんってやばそうだけどどうなってるんだろう、と気になっていた分野の実情がどの程度か、というのも面白かった。ここに出てくる話のどこまでが正しくどこからが間違っていて何が足りないのかなんて判断できるほどの知識量はないし、情報を集めて検証する時間もないのだけれど。
ただ、そもそも時間が短いのもあって、提案がほとんどで議論には至ってない。まあ、実際、まずは情報を収集して整理してから検討、というのは順当な対応だからそれでいいと思うけど。(各大臣が議論できるだけの知識量がない、という問題はあるかもしれないにしろ。それさえ「聞くは一時の恥」的な話だと思うけど)

個人的には農林系の話と教育関係の話は早急に検討して何かしたほうが良いと思う。

あと、(雇用・人材開発)だけが他と比較して異常につまらなかった。おそらく以下のどれかに該当して新解が出てこないからだろうと思う。

  1. 既存解しかない(単に自分が知ってる話だっただけの可能性を含む)
  2. 解が(ここには)存在しない(現状では全体として議論できる段階にない可能性を含む)
  3. 呼ばれた参加者が不適切(そもそも業界に適切な人物がいない可能性を含む)

他の各分野的には雇用やら人材開発の話が各論として出ていることを考えると、2は考慮したほうがよさそう。
雇用・人材開発は何かやばそうだ。3まで含めて。

『レイセン』File1 林トモアキ

マスラヲの続編@ザ・スニーカー
マスラヲ最終巻のアレをどう今後の展開に持ち込んでくるのか、というのが焦点。
安易な対処法であれば「最初の方は伏せておいて話が重くなってきたら持ち出す」となるところだが、そうならないあたりがさすが林トモアキ。わかってらっしゃる。
なるほど。こちらの方が圧倒的におもしろいはずだ。この展開であれば、それ自体が回転であるだけでなく、不要なステップを大幅にカットして次のステージへの展開筋を無数に用意することができる。間違いなく正しい。今後に期待。
といっても、マスラヲのときの様子から考えれば、連載で大回転を起こすのは難しそうだ。そこらへんをどうにかできるかが今後の焦点になりそうだなあ。